命令恋愛
「６万」


あたしがそう答えると、チヒロは心底羨ましそうに「いいなぁ！」と、大きな声を上げた。


「チヒロの相手はどうだったの？」


「全然ダメ。ブ男の上にケチでさ、2万円だった」


そう言ってしかめっ面をするチヒロ。


あたしは内心大喜びだった。


これであたしの方がゲームをリードさせることができるだろう。


恭介のモデルと会える確率も、グンとアップしたに違いない。


そう思うと、もう居ても立っても居られなくなった。


すぐにスマホを取り出してゲームを起動させる。


「ちょっとすぐにゲームするの？　疲れたからファミレス行かない？」


「行かない、チヒロ1人で行って」


あたしはそう言い、スマホを操作してゲームに課金したのだった。
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