命令恋愛
あたしは昨日田中君から言われた事を香菜美に説明した。


「そっか。ストーカーじゃなくて単純に優奈のことを心配してたんだね?」


「そうみたい。それで、まだあたしのことが好きだって言ってくれた」


言いながら、真っ赤になった田中君を思い出した。


「そうなんだ」


「うん。お試しでいいから付き合ってほしいって言われて、OKしてきた」


そう言うと香菜美は目を見開いて「付き合うことになったの!?」と、声を上げた。


「ちょっと、声が大きいよ香菜美」


「ご、ごめん」


謝りながらも香菜美は興味津々だ。


「お試しで良いって言うから、一応だよ?」


「そっか~。なんか、安心した」


香菜美はそう言ってほほ笑む。
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