命令恋愛
☆☆☆

彼氏ができたってあたしはゲームを続ける。


だって、今までに10万円以上の課金をしているのだ。


ここでやめたら課金がすべて無駄になってしまうのだ。


「どうかしたんですか?」


帰り道、ゲームのことを考えながらボーっと歩いていると、隣を歩いていた田中君が声をかけてきた。


「あ、ううん。なんでもない」


今日から田中君と一緒に帰ることになっていたのに、すっかり自分の世界にはいりこんでしまっていた。


「鎌田先輩って、年上なのに可愛いですよね」


田中君はそう言って笑った。


「どういう意味? ボーっとしてるって言いたいの?」


確かに今はボーっとしていたけれど、普段からずっとこの調子でいるわけじゃない。
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