未タイトル
「柊華ー、起きなさぁい。学校遅れるわよー。」

お母さんが一階から私を呼んでいる。

現実だ。

私はふぅっと一息ついた。

夢のせいでびしょ濡れのティーシャツももう何回目だろう。

私は起きてすぐにシャワーを浴びた。

「お母さんおはよ。」

「柊華?顔色悪いわよ。また、嫌な夢でもみたの?」

お母さんは私を見るなりすぐに私の顔色の悪さに気づいた。

けれどそれもいつものことで、もう慣れたもの。

「大丈夫、いつものことだから。」

私は苦笑いをして朝ごはんを食べた。



「いってきまぁす。」

奥からお母さんが小走りで向かってくる。

「柊華、今日は特に気をつけなさいね、変な夢みちゃったんだから。お母さん一緒に学校ついてってもいいのよ?それとも車で行こうか?」

「はいはい、大丈夫だって、もう子供じゃないんだから。」



…昔、私があの悪夢を見るようになったある日に交通事故にあったことがある。

交通事故といっても大したことはなくて、軽い打撲程度ですんだんだけど、お母さんはそれ以来、私が悪夢を見るたびすごくすごく心配するようになった。


「何かあったらすぐ連絡するのよ?」

「うん、了解!じゃあ、いってくるね!」

私は心配をこれ以上かけないように無理矢理元気に言って、家を出た。


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