未タイトル
しばらくして、やっと学校に到着した。

そして、着くなりすぐに聴こえてくる話し声。

「トーカちゃん今日もすっごいオーラだぁ…可愛すぎるぅ…」

「あ!あれって一年の花見って子だよな?噂通りちょー美人じゃね?俺、一目惚れかも」

「おい。おまえ、話しかけてみろよ!」

「なんでだよ!お前がいけよ、挨拶してこいよ!」

「うわっ!めっちゃいい匂いしたぁ〜///」

"カシャっ"

あげくにはシャッター音まで聴こえてくる。

私なんか撮ってなにがそんなにいいんだか。

周りの目線は全て私に集中してて、どんな顔して歩けばいいのか…どこみて歩けばいいのか…

挨拶するべき?もっとありがとうっていったり微笑んだりとかするべき??

私は無視することもできず、なんとなく微笑みながら「おはようございまぁす!」

っていってみることにした。


「うわぉ!こっち見たよ今!やばっ!俺?!」

「んなわけねぇだろ、お前じゃねえよ!」

「微笑むとか反則だろぉ〜」

「キャー!!///」

さっきよりも一層ざわついてしまった。



いやいやいやいや…

大袈裟すぎなんだってば…

お願いだから、ふつうに接してください〜!


やっとの思いで、下駄箱に着くと突然、男の子が話しかけてきた。

「あ…あの!!っ」

「えっ!!何っ!?私…?」

「はい!!あの、…その、初めてみた瞬間から惚れました!!つまり一目惚れです!よければ、俺と付き合ってくれませんか!!!!?///」


まだ周りには人がたくさんいるのにもかかわらず、その男の子は大きな声で私に告白をしてきた。

いや、すっごいみられてるんだけども。

公開しすぎだよ…

こんなとこで、振れるわけないし!

だからといって、この人のこと全く知らないし…

仕方ない…。

「ごめんね。それはできないかな…けど、ありがとうね。」

私は申し訳なさそうな顔をして、すぐに返事を返した。

本当に申し訳ないとは思うけど、そこまで私も上手く振る舞えない。

友達ならまだしも、全く知らない相手なんて。


その瞬間、その男の子は俯いたままどこかへ走って行ってしまった。



…シーン


ちょっと、待ってよ。この空気、どうしてくれるのよ。

勘弁してよーーー


「そりゃそうなるでしょ、ふつう。トーカちゃんに釣り合う男なんて、いな…まぁ、いなくもないけど、ねぇ…?」

周りがヒソヒソと話し始めた。

そして私はその場からひっそりと抜け出した。
















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