S'5s☆
今日は記念日。
なのにあたしは高校時代の友達と居酒屋で飲んでる…。
仕事終わりにディナーの約束をしていた彼は、仕事の都合で行けなくなった。
1人で過ごしたくなかったあたしは結局、この友人と遊ぶしかないわけで…。
「信じらんない‼︎」
「はいはい、まぁ飲みなって」
一応あたしと彼のキューピッドである友人を見るなり、文句の止まらないあたし。
とりあえず座れるところ行こうと、入った居酒屋で早5時間…
「結局好きなのはあたしの方で〜うぇーん。いつまでたってもドSだし〜」
「あんたはその彼を好きになったんでしょうが」
「そうだけど〜でもぉ」
「あーめんどくさいわね。泣かないでよ」
居酒屋のカウンターで泣き出したあたしを見て、心底めんどくさそうな友人。
そういえば今日誘った時も…
『彼にドタキャンされたから寂しいの〜』
『知らないわよ。あたし仕事終わりマッサージ行くのよ』
なんて言って一回断られた‼︎
結局マッサージをキャンセルしてあたしを優先してくれたから優しいね‼︎
「で?気になるなら彼に聞けばいいのよ。今日のお昼の女はだれ?って」
「むり‼︎だってジュエリー店から出てきたんだよ⁉︎しかも手まで繋いでた‼︎」
「どうせあんたの見間違いよ」
「絶対彼だったもん‼︎ぅう〜あたしが彼…見間違うわけないもん〜わーん〜」
あの光景を思い出すだけで泣けてくる。
昼休みが終わってすぐ、部長に頼まれたお使いで出向いた先でみた彼の姿。
あたしの知らない女の人と仲よさげに歩いてた。
それだけなら仕事の人かな?ってだけで終わるのに。
あろうかとか、とっても素敵な笑顔までサービスしちゃって、有名ジュエリーショップから出てきたの‼︎
おかげで午後のあたしは上の空。
部長に怒られまくったし、頼まれてたお使いも中途半端に帰ってしまった。