S'5s☆
「そろそろ行くわよ」
「え?もう?」
「あたし明日も早いのよ。あんたたちの痴話喧嘩に付き合ってなんていられないわ」
痴話喧嘩って…
喧嘩にすらなってないよ。
「彼、あと5分くらいで着くだろうから、アンタは黙って待ってなさい」
「え⁉︎呼んだの⁉︎」
「ふふ。忘れてもらっちゃ困るわ。誰のおかげでアンタ達付き合ったと思ってるの?」
そりゃ、1回目の告白も、
1年後の再会も、あなた様のおかげですよ…
でも‼︎今日の今日で合わせる顔ないよ‼︎
「アンタもたまには文句本人に言ったらいいのよ。じゃあ、また。次は予定のない日に誘いなさいよ」
そう言って出て行った友人…
1人取り残されたあたしはどうすれば⁇
とりあえず、会計を済ませて店の外に出ていようと席を立った時…
「おい、なんで電話でねぇ」
彼が現れた。
慌ててケータイを見ると、電源が切れてる。
「とりあえず行くぞ」
「え?あ、ちょっと、会計‼︎」
「チッ、待ってろ。ぜってぇ逃げんなよ」
あわよくば逃げ出そうとしてたあたしの考えはバレていたみたい。
大人しく待つことしかできないあたしって…。
そもそもなんで彼が怒ってるの⁇
今日怒ってたのはあたしの方なのに‼︎
「行くぞ」
そういって手を引かれ、脚の長い彼に引きずられる形で彼の車に乗せられた。