はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
ちゃんと顔を合わせたのはあの日……体を初めて重ねた日以来で、10日ぶり。たまに姿を見ることはあったけど、玲司さんが多忙なためプライベートで会える時間がなかった。

たまに電話で話すことはあったけど、顔を見て話すのは久しぶりで心は嬉しさに弾んでいた。

相変わらずかっこいいし。


「コーヒー淹れるから、ソファーに座って」

「私が淹れます!」

「いいから、いいから。休憩は何分?」

「45分です。ありがとうございます」

「のんびりできるね。はい、どうぞ」


すぐ二つのカップを手にして、私の隣に玲司さんは腰を下ろした。私はテーブルに置かれたカップを持ち、ふぅと息を掛けてからひと口飲む。

落ち着くなと和やかな気持ちになっていると、横から手が伸びてきた。玲司さんの手が私の首に触れている。


「アップにすると、噛み付きたくなるね」

「えっ? だ、ダメですよ」

「跡が付かないようにしたら、いいかな?」

「へ? いえ、その……あー、跡がつかないのなら、あ、でも、やはり今は一応業務中ですし」


思いもよらない要求に動揺しながら答える。いいかと聞かれて、いいともダメとも答えにくい。
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