はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
玲司さんはしどろもどろに答える私をクスクスと笑う。


「さっきまで落ち着いた顔していたのに、今はおもしろい顔」

「おもしろいって、失礼な……」

「ごめん、ごめん。ほんとかわいいな」

「えっ? そんなことはないです。それよりやめてもらってもいいですか?」


話をしながら、首筋を触られていて、くすぐったいというかゾクゾクしている。落ち着かないのはこの手のせいだ。

しかし、やめるどころか手は耳たぶへと移動して、感触を確かめるかのように動かす。首も弱いけど、耳も弱い。こちらはゾクゾクする中に気持ちよいというか、ふにゃっとなる感じ。


「もしかして、気持ちいい?」

「ええ、まあ、そうですね」


気持ち良さそうな顔になっているのだろう。否定できない。カップをテーブルに戻してから、そっと玲司さんを見る。

彼は耳たぶを見ているのかと思ったのに、しっかり私の目を見ていたようで視線が絡んだ。

心臓は一度大きく跳ねるが、まだ触られている気持ちよさに安定した速さに戻る。


「そんな安心した顔をされると甘やかしたくなるね。疲れている?」

「はい。ミスは絶対出来ないから、ずっと気を張っています」
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