はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
「お仕事頑張ってね」とお母さんは階段を使って、降りて行った。見えなくなるまで見送ってから、大きく息を吐く。

話らしい話は出来なかったが、大丈夫だっただろうか。


「横川さーん、こっち来てくれる?」

「はい、今行きます!」


ちょうど登坂さんが歩いてきて、呼ばれた。今は業務に集中させなくてはならない。余計なことではないけど、業務以外のことを考えてミス出来ない。


不安を消して、忙しいながらも幸せのお裾分けに自然と笑顔を出すことが出来、無事本日の業務を終えられた。

外はすっかり夜だ。


「お疲れ様。明日はテーブルの方をお願いね」

「はい、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いします」


明日もヘルプで、明後日が代休となっている。いろいろと疲れたから、真っ直ぐ帰ろう。明日は11時出勤だから、ゆっくり起きれる。

裏口でスマホを片手にした彩音に会う。


「あ、お疲れ様ー。藍果も終わり?」

「うん、彩音も帰れるの? 一緒にご飯食べる?」


彩音の顔を見たら、いろいろ話をしたい気分になった。
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