はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
「随分と失礼なことを言うわね。はい、これ。主人からのお土産よ」
「ああ、ありがとう。これを渡しに寄っただけだろ? じゃあ、さようなら」
「は? せっかく淹れてくれたアイスティーくらい飲んでから帰るわよ」
「ああ。じゃあ、さっさと飲んで」
藤島さんは玲司さんに紙袋を渡した。中身は日本酒のようだった。藤島さんのバッグの横にはもうひとつ紙袋があった。
玲司さんもその紙袋に気付いていたようで、「それ」と指差す。
「おじさんたち、寝る前に持っていった方がいいよ?」
「分かってるわよ。だけど、横川さんが心配なのよね」
「余計な心配しなくていいから」
「あの、おふたりの関係って?」
家族ぐるみで仲の良さそうなふたりの会話に思わず口を挟んでしまった。ふたりが私を見る。
「玲司、話していないの?」
「そういえば、話す機会がなかったから話していないな。俺の父親の姉が優香子の母親。つまり、俺たちはいとこ」
「いとこ? で、以前は付き合っていたと?」
「はあ? 違うわよ、横川さん。そんな噂があるみたいだけど、こんなのと付き合ったことはないから。私はずっと主人一筋なのよ」
「うん。俺たちはいとこで年が近いから、わりと仲はいいけど、付き合うなんて考えたこともない」
「ああ、ありがとう。これを渡しに寄っただけだろ? じゃあ、さようなら」
「は? せっかく淹れてくれたアイスティーくらい飲んでから帰るわよ」
「ああ。じゃあ、さっさと飲んで」
藤島さんは玲司さんに紙袋を渡した。中身は日本酒のようだった。藤島さんのバッグの横にはもうひとつ紙袋があった。
玲司さんもその紙袋に気付いていたようで、「それ」と指差す。
「おじさんたち、寝る前に持っていった方がいいよ?」
「分かってるわよ。だけど、横川さんが心配なのよね」
「余計な心配しなくていいから」
「あの、おふたりの関係って?」
家族ぐるみで仲の良さそうなふたりの会話に思わず口を挟んでしまった。ふたりが私を見る。
「玲司、話していないの?」
「そういえば、話す機会がなかったから話していないな。俺の父親の姉が優香子の母親。つまり、俺たちはいとこ」
「いとこ? で、以前は付き合っていたと?」
「はあ? 違うわよ、横川さん。そんな噂があるみたいだけど、こんなのと付き合ったことはないから。私はずっと主人一筋なのよ」
「うん。俺たちはいとこで年が近いから、わりと仲はいいけど、付き合うなんて考えたこともない」