はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
そっとキスした玲司さんは私を抱えて、ベッドルームへと運ぶ。ぼんやりと彼の顔を見ていたが、ベッドに寝かされてハッと気付く。


「待ってください」

「ん?」


彼は私のブラウスのボタンに手をかけるところだった。その部分を押さえて、体を起こした。

今日は蒸し暑かったから汗をかいている。さっき急いで外に出た時も汗が出た。だから、きれいじゃない。


「シャワー、浴びさせてください」

「いいよ、そのままで。そのままの藍果がいい」

「だ、ダメです。気になって、集中出来ないから」

「そんなにも集中したいの?」

「いえ、あの、そうです……」


恥ずかしくて声が小さくなる。玲司さんはクスクス笑って、私の手を引っ張った。


「本当にかわいすぎる。いいよ、シャワー行こう」


手を引かれて、バスルームに行き、またハッと気付く。なぜ玲司さんもいるの?


「まさか一緒に入るつもりじゃ……」

「もちろんそのつもりだよ。離れたら、また藍果逃げるかもしれないしね」

「もう逃げないです」

「そう? でも、離れたくないから一緒に入ろう」

「ちょっ、恥ずかしいから」


玲司さんはさっき外しかけていたブラウスのボタンを上から順番に外そうとする。
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