はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
私でいいですか?
お互いの気持ちが同じでも、まだ試練はある。玲司さんの両親に私たちの交際を認めてもらわないうちは、完全な幸せとは言えない。

それに私たちはまだデートらしいデートをしていない。忙しい玲司さんと時間を合わせるのは簡単ではない。でも、デートが出来ないことに不満はない。

7月になってから、私は仕事帰りに彼のマンションに寄ることが多くなった。

玲司さんの終業時間が夜九時以降か、夜勤の場合は真っ直ぐと家に帰ったり、彩音や先輩社員と食事に行くこともあるが。

玲司さんが今日は夜七時にあがって帰ってきたので、先に来ていた私は、夕食を作って待っていた。といっても、実家暮らしの私はあまり料理をしたことがなく、スマホで動画を見ながら作った。

今夜のメインは煮込みハンバーグ。

レストランの食材探しに行くほどの食通な玲司さんには、口に合わないのではないかと不安になりながらもテーブルに並べた。

「うん、美味しいよ」

「良かったです」


笑顔で食べる姿に安心して、私も食べる。レシピ通りに作っただけあって、美味しく出来ていた。
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