はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
その二回と玲司さんの都合を合わせなくてはならない。


「ところで、藍果」

「はい、なんですか?」

「ちょっと、待っていて」

「はい?」


ソファーから立ち上がった玲司さんはベッドルームへと行く。なんだろう?と待つこと、数分。

突然リビングの電気が消えた。


「えっ? ……停電? わぁ、きれい! それにいい香りがする」

「うん。貰い物なんだけど、なかなか一人でこういうの使わないから、今使ってみたくなった」

「素敵ですね」


玲司さんが持ってきたのはアロマキャンドル。透明なグラスの中に入っている薄紫色のキャンドルの灯りは幻想的というかロマンチックな雰囲気にさせてくれていた。

上品で爽やかな香りの中に、微かな甘い香りもして、心も体もリラックスしてくる。うっとりと香りを堪能していると「藍果」と呼ばれて、玲司さんを見る。

彼は真剣な顔で私を見つめていた。


「俺と結婚してください」

「えっ?」


目の前に出された白い小箱には指輪が入っていた。真ん中にはダイヤモンドが付いている。私は突然のことに指輪と玲司さんを見比べた。

これって、もしかして……いや、もしかしてじゃなくて、正真正銘のプロポーズ?
< 146 / 168 >

この作品をシェア

pagetop