はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
返事を忘れて、指輪をじっと見た。ダイヤモンドが付いた指輪を自分に向けられたのは初めてで、夢なのではないかと考えた。

しかし、夢ではなくて現実。


「ずっと大事にするから、ずっと俺の隣にいてよ」

「本当に私でいいですか?」

「もちろん。藍果にずっとそばにいて欲しい」

「ありがとうございます」


震える手を伸ばして、小箱を受け取った。玲司さんはその中から指輪を取り出して、私の左手の薬指に嵌める。私は口元を緩ませて、彼に抱きついた。


「とても嬉しいです」

「うん。受け取ってくれてありがとう。あまり大きいダイヤじゃないんだけど、大きくない方がつけやすいかなと思って」

「はい。とても素敵で、気に入りました。本当にありがとうございます」


指輪も嬉しいけど、それよりもプロポーズが嬉しかった。玲司さんの首筋にキスをすると、彼は抱きつている私を離してから、優しいキスをしてくれた。

甘い香りの中でのキスは私たちの心を落ち着かせてくれて、幸せな気分にさせてくれた。
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