はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
ラウンジの囲いになっている観葉植物の隙間から、フロントのほうを覗くが、ここからではほとんど見えない。支配人はフロント近くにはいないのかな。

どこに行ってしまったのだろう。まだ支配人が普段どこにいるのか把握出来ていない。支配人室に行けばいるかな。でも、用もないのに訪問出来ない。

ケーキをゆっくり食べながら、どうしたらいいのかと考えた。

しかし、さっきの支配人はかっこよかったな。いつも見るスーツ姿ではあるけど、世の中で一番スーツが似合ううのではないかと思うくらい、素敵。

目を閉じてケーキの味を噛み締めながら、支配人の笑顔を浮かべる。あの瞳にずっと見つめられたら……疲れも吹き飛ぶし、幸せになれる。

あ、でも、藤島さんの彼氏かもしれない……。浮かんだ幻像を現実に戻して、消した。

支配人と約束をする前に、藤島さんとの関係を確かめよう。これは約束するよりも簡単に入る情報だと思う。誰か先輩社員に聞けば、得られるはず。

他にもなにか支配人情報が得られたら、なおいいな。
< 27 / 168 >

この作品をシェア

pagetop