はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
「そんなに謝らなくていいのよ。ごめんね、意地悪しちゃった」
「はい? 意地悪ですか?」
「今夜は玲司となんでしょ? 楽しんできてね」
「えっ、どうして知って……」
「なんで知っているのか気になる? それはね、私と玲司の仲だから」
藤島さんは意味深に首を傾げて、右手の人差し指を自分の唇に当てた。
私は誰にも支配人との約束を話していない。だから、藤島さんが知っているのは支配人からの情報だろうけど、なぜ藤島さんに話したのかが気になる。
藤島さんと支配人の仲といえば、付き合っていたという噂としか思い浮かばない。噂は本当なのか確認したかったが、藤島さんは言うだけ言って、早々と離れてしまった。
ぼんやりと軽い足取りでホテルを出ていく藤島さんを見送ってから、我に返って時間を確認する。
時間まであと15分。まだ早いけど、会計を済ませてエレベーター前に立った。業務を終えたら、帰るはずの私がこれから上に行くのは変に思われる。
「横川さん、帰らないでどこに行かれるのでしょうか?」
案の定、フロントの大沢チーフに質問された。
「はい? 意地悪ですか?」
「今夜は玲司となんでしょ? 楽しんできてね」
「えっ、どうして知って……」
「なんで知っているのか気になる? それはね、私と玲司の仲だから」
藤島さんは意味深に首を傾げて、右手の人差し指を自分の唇に当てた。
私は誰にも支配人との約束を話していない。だから、藤島さんが知っているのは支配人からの情報だろうけど、なぜ藤島さんに話したのかが気になる。
藤島さんと支配人の仲といえば、付き合っていたという噂としか思い浮かばない。噂は本当なのか確認したかったが、藤島さんは言うだけ言って、早々と離れてしまった。
ぼんやりと軽い足取りでホテルを出ていく藤島さんを見送ってから、我に返って時間を確認する。
時間まであと15分。まだ早いけど、会計を済ませてエレベーター前に立った。業務を終えたら、帰るはずの私がこれから上に行くのは変に思われる。
「横川さん、帰らないでどこに行かれるのでしょうか?」
案の定、フロントの大沢チーフに質問された。