はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
トレイにデザートとコーヒーをのせて、ダイニングテーブルに戻ると、支配人が食べ終えた皿を片付けていた。


「すみません。先に片付けるべきでしたよね」

「いや、こういうのに絶対というルールはないから、ちょっと寄せるだけでもいいんだけど、もはや職業病だよね。ちゃんと片付けたくなってしまう」


支配人は苦笑しながら、端に置かれているワゴンに皿を積んでいく。手際の良さは職業病ともいえるだろうけど、やはりさすがだと感心する。

きれいにしてもらったテーブルにデザートとカップを並べる。


「ありがとうございます。まだまだ知らないことも多いので、ためになります」

「いいんだよ。今は業務終えているんだから、ためになるとか考えないでリラックスして。そうは言っても、俺が堅い話をしたのがよくなかったね。つい食べ物に関しては、うんちく並べるのが癖になっていて……つまらないよね?」

「いえ! そんなことないです。支配人のお話は本当にためになるとかいうか聞いていて楽しかったです」

「そんなふうに言ってくれると救われるね。ありがとう」
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