LOVERS
二人だけのトキ覚えてますか?
「よし、じゃあ行こうか。」

真美が切り出した。

「ん。」

章介が答えて歩き出した。


とくに何も会話がなく、最寄り駅の東正北駅まで約15分無言だった。

~まもなく、2番線に電車が到着します~

「走ったほうがいいんじゃね~」

「走るの?」

章介がなぜこんなに急いでるのか真美は、疑問そうだった。

無論、章介は急ぐ用は無い。ただ、真美との時間が気まずかっただけなのだ。

「あぁ、電車行っちゃったね」

「みたいだね」

真美はうれしそうに答える。

次の電車まで10分、何を話すか章介は悩んでいた。

翔からはいつも、女子には、女子なりの楽しい会話がある。とか何とか言ってたけど

それがなんだか分からない。

章介は、生まれてから赤の他人の女子とは、あまり話したことが無い。

妹の美佐は電話で、人気アイドルグループであるトルネードの大水

の事について、友達と話してるみたいだけど。真美は、知ってるだろうか。

昨日は何のテレビを見ただろうか。

(さっぱり分からない)

章介がそう思っていると。

「章介君。私、章って読んでいい?」

いきなりだが、断る理由が無い。

「えっ、いいけど」

「じゃあ、私のことは普通に真美でいいから(笑)」

「え、ああ、うん、」

「章ってさ、今まで恋ってしたことある?」

「何、急に」

「急すぎたよね(笑)」

「私は、ないんだw」

「へえ~」

「私さ、生まれたときから男子と話したことあんまないんだよね~」

「ふ~ん」

「私の親は、男子との交際ができないように、小中って女子高だったの。

 でも、大親友の桜が共学に行くって言うから私、親の反対を押し切って

 この学校に入学しちゃったんだ。。だから、親とは今気まずくて…」

~まもなく2番線に電車が到着します~
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