甘いピンク色の心
そうして、俺と琴音は、恋人という関係になったのだ。
数日が経った。今日も琴音は来るだろう。俺は、琴音の好きなホットミルクティーを作りながら、待っていた。
「晴人!」
インターフォンの受話器を取ると、いつもの声が聞こえた。
俺は、玄関の方へ行き、ドアを開けた。
「琴音、今日はどこが分かんないんだ?」
「あ、そういうのじゃないんだ……」
「うん?」
琴音は、勉強が分からない時じゃないと、基本俺の家には来ない。
首を傾げていると、琴音は、はい、と可愛らしい小さな箱を渡してきた。
「マカロン?」
箱を開けると、中にはピンク色のマカロンが入っていた。ハート型をしている。
「いつもありがとう、晴人」
琴音は、綿飴のようにふわふわと笑う。
「わたしの気持ちを伝えたかったの。晴人がマカロン好きなの知ってたから、マカロンで伝えられないかなって」
気持ち、か。ピンク色のハート。なるほど。
サンキュー、琴音。分かった。
俺も同じ気持ちだ。