甘いピンク色の心

そうして、俺は琴音の両肩に自分の手を置いた。



「もう、勝手に押しかけてごめん、なんて言うな」



「いや、でも……」



琴音が言い終わらないうちに、俺は首を振った。



「俺は楽しみなんだよ。お前に会うことが」



「わたしも……晴人のところに行くのが楽しみ……」



琴音が喋る度に、彼女の顔はみるみるマカロンと同じ色になった。そんな彼女があまりにも可愛くて、俺はまた抱きしめた。マカロンと同じ、甘い匂いが漂ってくる。


そのまま、俺はキスをした。
そうすると、もっと甘い匂いが漂ってきた。


甘い空間。マカロンよりも、砂糖よりも、うんと甘い。
こんなに甘い空間から、俺はいつ抜け出せることが出来るのだろうか。
< 16 / 17 >

この作品をシェア

pagetop