甘いピンク色の心
そうして、俺は琴音の両肩に自分の手を置いた。
「もう、勝手に押しかけてごめん、なんて言うな」
「いや、でも……」
琴音が言い終わらないうちに、俺は首を振った。
「俺は楽しみなんだよ。お前に会うことが」
「わたしも……晴人のところに行くのが楽しみ……」
琴音が喋る度に、彼女の顔はみるみるマカロンと同じ色になった。そんな彼女があまりにも可愛くて、俺はまた抱きしめた。マカロンと同じ、甘い匂いが漂ってくる。
そのまま、俺はキスをした。
そうすると、もっと甘い匂いが漂ってきた。
甘い空間。マカロンよりも、砂糖よりも、うんと甘い。
こんなに甘い空間から、俺はいつ抜け出せることが出来るのだろうか。