煙りが空に消える様に
少しだけ泣かして。
忘れていた。
貴方から借りた本を開いた
久しぶりの時間
小説の行を追いながら
思い出を懐かしむ
ユラリユラリと珈琲
右手にカップ
左手にアービィング
思い出が懐かしくて
若く楽しい思い出ばかりで
視界が歪むから
我慢。と本で顔を隠す
不意にページに染み付いた煙草の香り
過ぎた時間を思う
少しだけ、許して。
良い思い出ばかり…