煙りが空に消える様に
風草の言葉を聞け
たくさんの風が吹いた。


湿った土に躯を横たえ
土と太陽とが往く千回

遠い声は群青の丘に吸い込まれていく


血も
肉も
声も
愛も
悲しみも
憎しみも
慈しみも
時間さえも


無言の草木に飲み込まれていく


全てを飲み干し
全てを清浄する無言の命


そこに立ち、今を祈る。
其処に倒れ、先を紡ぐ。


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