俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

番外編一 小さな命が生まれる時

それは、俺とクリスタルが新婚旅行から帰ってきてしばらくしてからのことだった。

俺とクリスタルは、新婚旅行にワール国に行った。自然が豊かな美しい国だ。

俺とクリスタルは、海で泳いだり観光地を巡ったり楽しい旅をしたのだが…。

その日、家に帰るとクリスタルはいつも以上に嬉しそうだった。どこかそわそわしている。

「どうしたんだ？」

俺が訊ねると、クリスタルは「あのね〜」と言って俺の手を取り、それを自分のお腹にそっと当てた。

「赤ちゃん、できた。リーバスの子ども！」

「……は？」

最初、クリスタルが何を言っているのか整理するのに時間がかかった。しかし、クリスタルの言葉を繰り返すうちに嬉しさがあふれてくる。

新しい家族が生まれるのだ。

「本当か！？やった！！」

俺はクリスタルを強く抱きしめる。クリスタルが「苦しいよ〜」と言ったので慌てて「すまん」と言って離す。

クリスタルはとても幸せそうだ。俺は、ゆっくりとクリスタルのお腹にまた触れる。まだ平らなこのお腹の中に、俺とクリスタルの子どもがいるのだ。