俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
でも、突然役者の子が一人倒れて、ジュリエットが急遽演じることになりましたの。演じることよりも、服をデザインする方が好きな子ですから心配しましたけど、大丈夫そうですわね。

「ジュリエットもメルもすごいね。さすが、フローレンスの子どもだよ」

私の隣でイワンが呟きます。私はすぐに言いましたわ。

「何言ってますの。私たちの子どもですわ!度胸があるのはあなたに似ましたのよ」

「そうかもね〜」

イワンはそう言ってクスクス笑いますの。何がおかしいのか、私にはわかりませんわ。でも、そんな不思議なところもイワンの魅力ですの。

この劇の中には歌うシーンもあるとメルが言っていましたので、わくわくしますわ。私の職は歌が命ですもの。

きれいなピアノの伴奏が響きますわ。とても心地がよくて、私の心はだんだんリラックスしていきますの。

「私は何も知らなかった
夢の掴み方も 生き方さえも
ただ歩んで朽ちていく
それが人生だと諦めていた
だけど…だけど…
捨てきれない思いがこの胸にあるの
背中を押してくれた人にできる一つのこと
それは……この夢を叶えること
生き方を教えてくれた人
愛を教えてくれた人
何よりも大切なことを教えてくれた人
人生は学ぶことばかりだ」
< 152 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop