俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
ジャックは私の腕を強く掴む。私は「嫌!!放して!!」と必死で振り解こうとするが、ジャックは余裕を浮かべたまま、もがく私を楽しげに見つめている。

「悪いけど、あんたとリーバス・ヴィンヘルムには恨みがあるんだ。俺と来てもらう」

私の心臓がドクンと鳴る。リーバスと一緒にいた時に感じる甘いものじゃない。嫌な予感がする。

「……リーバスに何するつもり?」

私は抵抗するのを一旦止め、ジャックを睨む。

「とっても楽しいことだ」

次の瞬間、体が引き寄せられた。そして頭に衝撃が走る。

目の前が、真っ暗に包まれていく……。



その場に崩れ落ちていくクリスタルを、俺は軽々と抱き上げた。

「よし、無事に捕獲した」

そして家を出る。家から離れた場所に、俺は馬車を用意しておいた。そこへ向かう。

大きめのトランクに気を失ったクリスタルを寝かせ、もしトランクの中で目を覚ました時のために、目隠しをして、声を出せないように口に布を噛ませた。足や体も紐できつく縛る。縄抜けの方法なんて知らないだろう。
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