俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
アレックスと小町は、病院に検査に行っているかもしれない。小町のお腹の中には赤ちゃんがいる。二人とも、名前を考えたり、生まれてくる赤ちゃんのベッドなどを買って微笑んでいるかもしれない。

ハリーたちは何をしているのかな。ハリーは本を読んでいるのかな。それとも、剣術の稽古をしているのかもしれない。

レオナルドは絵を描いているのかな。それとも、バイオリンを弾いているのかもしれない。

エリザベスは、メイク道具を使って遊んでいるかもしれない。フローレンスに負けないくらいおしゃれが好きだもの。

レムさんは、仕事を真面目にしてるのかな。いつもふざけてるけど真面目になる時はイケメンだもん。ずるいよ…。

頭の中に、今までみんなと過ごした思い出が浮かぶ。枷を嵌められ自由を奪われたこの体。泣くのを堪えていたのに、愛しい人の顔が浮かんだ刹那に涙がこぼれてしまった。

「……リーバス……!」

愛しい人の名前を呼ぶ。もう何日も声すら聞いていない。触れたい、触れられたい。そばにいてほしい…!

リーバスは、私が誘拐されたことを知っているのかな。心配してくれるのかな。怖い…。怖いよ…。
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