俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
俺は家に帰った後、しばらくジャックから送りつけられてきた写真を見つめていた。
手に手錠、足には枷、首には首輪…。体の自由が奪われている。
誘拐されたクリスタルの命は、ジャックの手の中にある。拘束され、逃げ場のないクリスタルは、こちらの対応次第でどうなるかわからない。
「……どうか、無事でいてくれ……」
刑事でない俺は、ただクリスタルの無事を祈るしか今はできない。
クリスタルの居場所を見つけなければならないのだが、おそらく地下で撮られたのであろうこの写真は、情報があまりにも少なすぎる。
「窓の外の景色などがあればよかったんだが…」
こうしている間にも、クリスタルがどんな目に遭っているかわからない。
ジャックがクリスタルを誘拐した動機は、何となくわかる。身代金でないことはたしかだ。身代金目的なら、手紙の場所に何かしら書いてあっただろう。
なら、目的は何なのか。それはたった一つ……俺への復讐だ。