俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
「……ハハッ!苦しめ!」

俺はそう言い、クリスタルの華奢な首に手をかける。鉄の首輪がつけられた首。俺が力を込めると、クリスタルはますます苦しげに顔を歪める。

「ああっ…!」

クリスタルは叫びながら、飛び起きた。そして俺の姿を見た刹那、また顔を歪ませて怯える。ククッ、嗤いが止まらねえ。

「飯だ。とっとと食べろ」

震えるクリスタルに、俺はりんごの入った皿を突き出す。クリスタルはそれを受け取ろうとして、何かを訴えるような目で俺を見つめた。

「……何だ?」

「……て、手錠……外して?」

たしかに、手錠をつけたままだと持ってきてやったフォークは使えないだろう。俺は手錠の鍵を出そうとして、あることを思いついた。

「犬のように食えばいいだろう?やってみろ」

俺がそう言うと、クリスタルは迷う表情を見せた。王女として教養を身につけられてきたのだから、抵抗があるのは当たり前か。

俺は拳銃を取り出し、クリスタルに向ける。

「おい、早く食え。死にたいのか?」
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