俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
アレックスたちの頭の上には、大きなクエスチョンマークが浮かんでいることだろう。警察関係や、軍人にしかこの手の話はわからない。

「法律とかよくわかんないんだけど、僕らは対策本部にいた時のジャックくんを少なくとも知ってるよ?ジャックくんを少しでも知っている人に協力してもらった方が、事件は早く解決するんじゃない?」

穏やかな笑みを浮かべながら、イワンがロビンに言う。ロビンは「でも……」とうつむいた。

「勝手に民間人を協力者にするわけにはいかない。ドリス人ならまだしも、あんたたちは外国人。そんなことをすれば、ドリス国に泥を塗る」

ロビンがそう言った刹那、リーが「ふざけている場合じゃないネ!!」と激しく怒りながらロビンに摑みかかる。あんなに怒っているリーを見るのは、俺も他のメンバーも初めてだろう。

「こうしている間にも、クリスタルに危険が迫っている可能性があるネ!!私は警察じゃないし、犯罪者の行動に詳しいわけじゃないけど、人質が怪我や病気をしても犯人はきっと病院には連れて行かないヨ!!命にかかわるような感染症になるかもしれないし、傷口から細菌が入り込んで、その部分が壊死する可能性もあるんだヨ!!」
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