俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
「俺、いつもお前と一緒にいたからどんな嘘だってわかるんだ！」

レムは俺を真面目な目で見つめた。心の中を見透かされてしまいそうで、俺は一瞬焦る。

「おい！手が止まってるぞ！」

俺はそう言って、レムを強引に捜索に戻した。

俺たち三人で家の中を一通り捜索したが、クリスタルの居場所につながるようなものは何一つ見つからない。

「手紙にはこの場所が出てきたんだけど…」

ロビンが、住所の浮かび上がった手紙をかばんから取り出す。住所は間違いなくこの場所だ。

俺は考える。部屋はもう全て探した。お風呂場も、キッチンも、リビングも、寝室も……。引き出しの中やクローゼットの中も調べたし、壁などにも触れて隠し通路がないかも探した。

「探していないところはもうないんじゃないか？」

こうしている間にも、クリスタルの身に何が起きているかわからない。ジャックは俺にクリスタルの居場所を見つけるよう指示しているから、クリスタルを簡単に傷つけたりはしないと思いたい。しかし、クリスタルの身が危険に晒されているということに変わりはないのだ。
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