俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
「……どうして、いつも私を見てくれないんだ?」

ロビンが呟く。俺を掴む腕は震えていて、俺はリーの言った言葉を思い出した。

「私は、子供の頃からずっと……」

クリスタルといた時とは違う意味で、時が止まってほしいと思った。こんな時にそんな言葉を聞きたくない。しかも、ずっとただの幼なじみだと思っていた人間に…。

しかし、時間が止まることもなくロビンは俺を見つめる。

「好きだ」

答えはもう、決まっている。たとえどんな美女が目の前にいても、俺の答えはたった一つだ。

「すまない。…俺は、クリスタルを愛してるんだ」

すると、穏やかだった屋根裏部屋の空気が一変した。ロビンが「どうしてよ!?」と大声で叫んだからだ。

「私は…私は…あの人みたいに胸が大きいわけでも、みんなから好かれるわけでもない!料理だってできないし、お金だってそんなにない!でも、リーバスのことなら何でもわかる!だってずっとそばにいたから!!リーバスの叶えたいことを、全て叶えてあげられる!!」
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