俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

近所の人に教えてもらいながら、ひたすら農作業を手伝う。まあ、あいつはここでは仕事はないしな…。

それにしても泥だらけで汚いな…。まるでボロボロになった雑巾のようだ。

クリスタルの服や顔には泥が付いている。それでもクリスタルは、楽しげに農作業を手伝っていた。

俺にはわからない。傷ついているのにクリスタルが笑っている理由が…。

だからこそ、壊しがいがある。

俺は歪んだ表情でクリスタルを見つめた。



今回の世界平和対策本部の会議は、ラス国で行われる。近くで助かった。

当然だが、会議室にクリスタルの姿はない。俺は訊いてきた奴に、「振られたんだ」と隠すことなく全てを伝えた。

すると、イワンたちは顔を見合わせ、「なんかそれ、おかしくない？」と言った。

「おかしいって…何がなんだ？」

「だって、二人はどんな鈍感でもわかるほどラブラブだったのに…」

会議よりも真剣に考え込むイワン。会議でそのような姿勢を取ってくれたら感動して俺は涙ぐむだろう。

「ロビンさんが嘘を言ったかもしれないネ！」

リーも真面目な表情で言う。

「そんなことあるわけないだろう。ロビンはただの幼なじみだ」

俺がそう言って笑うと、「リーバス、あなたって女心が本当にわかってないですわね…」とフローレンスがため息をつく。