俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
「……私は……私は……」

そう言って俺を見つめるロビンを、俺は思い切り睨みつける。今は許す気になんてなれない。

「お〜い!!屋根裏部屋の捜索終わったか〜?」

レムの声が俺の耳に届く。ロビンも慌てて涙を拭き、「終わった!!王女の居場所の書かれた紙を見つけた!!」と大声で返す。

俺とロビンは無言のまま、屋根裏部屋を後にする。屋根裏部屋から降りると、レムが「近所の住民に聞き込みとかしようぜ!」と手帳を取り出し、ニコッと笑う。

「ああ、そうだな…」

俺もそう言いながら、手帳を取り出し、クリスタルの居場所を告げた。

「ヴァイオレッド城!!早速本部に連絡しなくちゃな!」

レムはそう言って家を飛び出す。俺も後に続いた。

ロビンは、俺たちの聞き込み調査には同行せず、「先に帰ってくれ」と一人田舎町に残った。

「ロビンさん、どうしたんだ?」

不思議そうな顔をするレムに、俺は「さあ…」と言う。ロビンとのことは秘密にしておこう。対策本部のメンバーにもな…。

列車がゆっくりと動きだす。クリスタル、必ず助けるからな。
< 60 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop