俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
恋人のピンチには必ず助けに行く
俺は机に向かい、手紙を書いている。ジャック・グラスと書けば警察にバレる。だから偽名を使った。

リーバスたちが、クリスタルと俺の居場所を見つけたと手紙が届いた。誰が書いたのかというと、俺の協力者だ。

類は友を呼ぶ。悪には悪が群がるのだ。俺に従いたいと名乗り出てくる者たちが現れた。全員、国に対して不満を抱いている不良ども。

リーバスたちは、多くの警察を連れてここに来るだろう。簡単にクリスタルを返すものか。恐怖や苦痛を与えなくては……。

そのため、俺は協力者たちをここに集めることにした。ここを悪の集う城に変えるためにな。

「……ククク……あっははははははははは!!」

俺は狂ったように笑い続ける。何がおかしいのか自分でもわからない。ただ、笑いたかった。

何十枚にも及ぶ手紙を書き、俺は立ち上がる。早速手紙を出しに行かないとな。善は急げだ。

ウィッグを被り、自分の趣味とはほど遠い服に着替える。鏡の前に立つと、本当に自分なのかと疑うほどだ。
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