俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
「あなたにとっては幼なじみでも、相手にとってはどう思っていたなんてわかりませんわよ。恋を本当にしていたのなら、ロビンさんがクリスタルに嘘を言った可能性もありますわ」

「ロビンが俺に恋?」

ありえないと思う。ロビンは軍人で、もしかすると俺よりしっかりしているかもしれない。そんなロビンとは釣り合わないだろう。

それなら、クリスタルはもっと釣り合わなかったのか…。クリスタルは王女で、俺は一般市民。立場が違いすぎた。

それ以上に、クリスタルは美しくて優しい女性だ。こんな俺のそばにいてくれた。その過去がある限り、俺はきっと大丈夫だ。ずっと待っていられる。

「リーバスくん!これからどうするつもりなの?」

イワンたちが、俺を一斉に見つめる。その目はみんな緊張している。まるで自分の罪の重さを測られる罪人のようだ。

「クリスタルが帰ってくるのを待ち続ける」

俺がそう答えると、フローレンスが「それじゃあお互い苦しいですわ」と悲しげに言う。

「リーバス、あなたはこれから仲間が次々に結婚して、子どもを授かって、家庭を作っていくのを見ることになりますのよ?そのたびにクリスタルを思い出して後悔するんじゃありません?」

その言葉が、俺に突き刺さる。
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