俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

俺はクリスタルの顎を掴み、上を向かせる。俺はきっとにやりと笑っているのだろう。

「警察がやっと来てくれたんだな…。でも、俺はあんたを簡単に返すつもりはないんでね。……連れて行け」

俺がそう言い、クリスタルを不良たちが連れて行く。「放して！」とクリスタルはもがくが俺たちに敵うはずがない。

クリスタルが連れていかれた後、俺は会議室にいる不良たちに言った。

「絶対に俺たちが勝つぞ！！リーバス・ヴィンヘルムを苦しめるんだ！！」

不良たちが、「おおおおおお！」と一斉に叫んだ。



ふと、誰かの声が聞こえた気がした。優しい声…。愛しい人の声を…。

「リーバス？」

レムが不思議そうに俺を見つめる。俺は首を横に振った。

「いや、何でもない」

クリスタルの声が聞こえた気がした。

城の扉は重く、なかなか開かない。おそらく内側から何かで押さえつけられているのだろう。

突入班たちが束になって、扉にぶつかる。ミシミシと嫌な音が響いた。

そして、それは一瞬の出来事だった。ドシンという音とともに、扉が壊れる。そして突入班が一斉に城の中へと飛び込んでいった。