俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

今のところ、不良たちには遭遇するがジャックには会っていない。……クリスタルにも……。

「覚悟しろ！」

俺は飛び出してきた不良に殴りかかり、投げ倒す。レムが「大人しくしろ！」と拘束した。

騒ぎを聞きつけたのか、仲間たちが次々と現れる。

「うぉらあああ！！」

ロビンが不良たちに回し蹴りを食らわせる。銃を取り出した不良の腕を俺は素早く押さえ、足を踏みつける。不良が痛みで目を閉じた瞬間に、俺は不良の腹に拳を入れた。

城の中は、不良たちと警察との戦いであちこち壊れ始めている。壺は割れ、壁には銃弾の跡や刃物による傷跡。

この戦いの中に、クリスタルは放り出されているのか…？そう思うとゾッとする。

そんな俺の肩に、レムがそっと手を置いた。

「クリスタルさんなら大丈夫だぜ。お前には内緒にしてたけどな、こっそり剣を教えたんだ。まあクリスタルさんの方から「教えて」って頼まれたんだけど…」

「それは……本当なのか！？」

俺は驚いてレムを見つめた。レムは何度も頷く。

俺は「そうか…」と微笑む。レムが教えたのなら、きっと大丈夫だろう。