俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
その時、不思議な感覚が俺の中に生まれた。まるで見えない何かに引き寄せられるように、俺は階段を上っていく。

「おい、リーバス!!」

レムとロビンが慌てて俺の後を追いかけてくる。しかし、それを口にしている間もない。

クリスタルがそばにいる気がする。

俺は階段を三段飛ばしで駆け上がった。



俺は城の屋上に立ち、森を見渡していた。城の頂点に君臨する王になった気分だな…。

城の中で何が起こっているのかはわからない。しかし、あの不良どもの中に警察に勝てる奴がいるとは期待はしていなかったからな。警察の足を止められるだけの人間がいるとは思えねえ。

まあいい。あいつらがいなければ、この素晴らしい城は完成しなかったのだからな…。そこは感謝しておいてやろう。まあ王のように褒美をやることはできないがな……。

リーバス・ヴィンヘルムが来るのを、俺は気長に待つことにした。



「やあああ!!」

私は剣を握りしめ、レムさんから教わったことを思い出しながら、不良たちを倒していく。

今の私は、か弱い王女でも、リーバスに守られっぱなしのクリスタルでもない。戦場に立つ勇ましい剣士だ!
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