俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

恋人は必ず守り抜く

愛しい人の温もりは、とても特別で全てを忘れることができた。ロビンに対する怒りも、ジャックのことも、何もかも……。

「あの〜…俺たちいるんですけど…」

俺とクリスタルは、困った表情のレムの声にハッとする。慌てて体を離した。

「ご、ごめんなさい！ここはまだ敵のアジトだったね……」

そう言って顔を赤くするクリスタル。そしてーーー。

「とりあえず、クリスタルが無事でよかった。あとはジャックの逮捕だな！」

汗をかきながら早口で俺が言った。しかし、レムの目は変わらない。

「手、しっかりつなぎながら言われてもね〜…」

俺とクリスタルは自然とつながれた手を見て、お互いに顔を見合わせて笑う。その様子を、レムは仕方ないなと言いたげな目で見ていた。ロビンは……俺が驚くほど穏やかな目をしていた。

「ジャックはどこにいるんだ…」

俺がそう呟いた刹那、それに答えるかのように「リーバスさん！」という声が下から聞こえてくる。少し階段を降りると、負傷した仲間を支えている突入班の警官がいた。彼自身も怪我をしている。