俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
その美しいエメラルドの目には、迷いなどどこにも存在しない。俺の心臓がドキンと音を立てた。久しぶりの甘いときめき。

「……危険なことはするなよ?」

俺の言葉に、クリスタルは真剣な表情で頷く。

レムとロビンは「行こう」と同時に行って、階段を上っていく。

俺はクリスタルが持っていた剣を取り、クリスタルに渡す。

「……ありがとう」

そう言ったクリスタルは、とても美しかった。



赤い夕焼けが、この世界を染めている。まるで、傷ついた体から流れていく鮮血のように美しい赤が……。

俺は空を燃やす夕日をただ眺めていた。城の中がどうなったのかなんて知らん。まあきっと、もう俺以外は警察によって拘束されているだろう。

それにしても退屈だ。空を眺めるのもいいが、やはり争いごとの方がおもしろい。

泣き叫ぶ声、飛び散る血、必死に相手が言う命乞いーーー。俺の血がゾクゾクと騒ぐ。

屋上につながる階段を、バタバタと走ってくる足音が耳に入る。不良たちのものではない。ついに待ちわびた人物がやって来たのだ。
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