俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
クリスタルの目から涙がこぼれていく。きっと心の中は不安でいっぱいなんだろうな。

ロビンとレムも、とても張り詰めている。

「……約束、だからね!」

泣きながらクリスタルは、リーバスを抱きしめた。早く勝負を始めたい。気持ち悪いこの気持ちを、さっさとアイツの血で忘れたい。

「レム、ロビン……」

リーバスは二人を見つめて言った。

「……クリスタルを頼む」

二人は無言で頷いた。

ああ、俺との勝負を真剣に考えているのだな。そうした方がいい。お前の命は、俺が奪う。

お前が死んだら、クリスタルもお前も苦しみ嘆き悲しむだろう。最高のフィナーレだ!!

リーバスはクリスタルの持っている剣を受け取り、俺と対峙する。

さあ、ショーの始まりだ!



ジャックがまだ対策本部にいた頃、一度だけジャックと剣の試合をしたことがある。ジャックが剣ができるということをあの時初めて知った。

あの時の試合では、俺はジャックに負けた。ジャックはとても強いのだ。

あの時はお遊びだが、今は違う。負ければ俺は確実に死ぬ。それは避けなければならない。俺が死んでしまったら……。
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