俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」

俺はクリスタルを見つめる。クリスタルは、ずっと不安げなままだ。そんな表情も、愛おしい。

クリスタルを置いていくわけにはならない。まだ伝えなければならないこと、これからことがある。必ず、勝たなければ…！！

俺は剣を鞘から抜くことはせずに構えた。

「抜かないのか？お前、死ぬ気なのか？ハハッ！」

ジャックはニタニタ笑いながら言う。しかし、そんな挑発に乗ってはならない。ジャックを俺の手で殺すわけにはいかないのだ。

「……俺は抜かない。このまま戦う」

俺がそう言った刹那、ジャックの顔が嬉しそうになる。

「なら、お言葉に甘えて！！」

ジャックは剣を構え、勢いよく俺に突進してくる。ジャックが振り下ろす剣を俺は懸命に受け止めた。ジャックが叩きつける剣は、とても重い。

俺は一旦下がり、ジャックに攻撃をする。それをジャックは余裕でかわし、また俺に剣を振り下ろす。

キン、キンと互いの剣が何度もぶつかる。ジャックは楽しげに俺に攻撃する。以前剣を交えた時よりも、さらに腕が上がっていると感じた。