俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
「焦ってんだろ?俺がさらに強くなってるからなぁ!!」

強気に笑いながらジャックが言う。俺は心を見透かされていることに驚いた。しかし、それがバレたら負けてしまうかもしれない。俺の額に冷や汗が伝う。

「そんなことはない!!俺もこのような時のために訓練をして来たのだ!!」

間合いを詰め、俺はまた剣を振り下ろす。ジャックは「おもしれぇなぁ〜」と言いながらそれを受け止める。そして、俺の足に強い蹴りを入れた。

「……ッ!」

痛みを俺が感じている間に、ジャックは無防備な俺に剣を何度も叩きつける。

「おら!!もう終わりなのか!?」

俺は剣をギリギリで避ける。「リーバス!」とクリスタルが叫ぶ声が聞こえた。

クリスタルはきっと、レムとロビンに止められているのだろう。笑顔を見せて安心させてやりたいが、その余裕は今はない。

逃げるタイミングが少しずれ、俺の頰にピリッとした痛みが走る。数秒もしないうちに温かいものが頰を伝う。刃で頰を少し切ってしまったのだ。
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