俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
俺も逃げてばかりではいられない。ジャックが下ろした剣を横に転がり避ける。そして、横から蹴りを入れた。

「……やるじゃねえか」

ジャックは嬉しそうな顔をして、俺にまた攻撃をする。

心臓がが激しく鼓動した。



オレンジのきれいな夕焼けは、今にも消えてしまいそうになっている。照らされていた屋上も、ゆっくりと暗くなってきていた。

屋上では、リーバスとジャックの剣が何度も交わる。二人の荒い息が重なり、地面にはリーバスの血が点々と落ちている。

私は、何度もリーバスを守ろうとしてレムさんに止められている。今だってレムさんは私の腕をしっかりと掴んでいるから。

リーバスは剣を鞘から抜いていないから、剣でジャックを殴るしかない。しかし、ジャックは鋭い刃でリーバスを切りつけていく。リーバスの体には小さな傷がいくつもできていた。

「……アイツ、タチが悪いな」

レムさんが呟く。

「相手を絶対に一瞬では死なせない。必ず苦しめてそしてトドメを刺すんだ」
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