俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
たしかに、監禁されている時のジャックを見ているとそう感じることがあった。冷酷で、目的のためなら手段は選ばない。

リーバスは大丈夫なのかと心配ばかりが募る。ただ祈るしかできない。

「そんなに争いが好きなら、お前と同じような仲間を集めて戦争ごっこでもしていればいいだろう!!」

ジャックへ怒りを表しながら、リーバスは強気に言う。剣をジャックに叩きつけた。

「フン!そんな置き換えじゃつまらないんでね!!」

ジャックは攻撃を避けて、リーバスと距離を一気に取る。

日はもうすぐで完全に落ちてしまう。勝負はどうなってしまうのだろう。暗くなったら、きっと戦えない。

そう私が思った時、ジャックが着ている服のポケットからあるものを取り出すのを見た。それは、黒く重みのある拳銃…。私が何度も突きつけられた拳銃…。

ジャックは、リーバスにそれをためらいもせずに向ける。そして、引き金を引いた。

考えるよりも前に動いていた。力の緩んだレムさんの腕を振りほどき、「リーバス!!」と叫ぶ。

……銃弾がこんなに大きいものなんだと初めて知った。
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