きらきら光る
「パンツ見えんぞ。」
「えっ!?」
「ばか。生徒のパンツ見るほど飢えてねぇわ。目、覚めたか?」
慌てて起き上がった私を見るその人は不意に笑う。

さっきまでの雰囲気は冷たい、黒色みたいな人だったのに、笑うとその雰囲気を忘れるくらい優しい白色に見えた。窓の隣に寄りかかり立つ姿は眩しく見える。

「へんな人ですね。」
「こう見えても学校医だ。変態呼ばわりすんな。藤田陽咲。3年2組23番。」
「え?なんで知ってるんですか?」
「ここ。」
その人は自分の胸のあたりを指差した。
「喘息。かなりひどい。」
「あぁ。先生の名前は?」
「さぁな。知りたいなら保健室に来い。書いてある。」
「ずるいなぁ。」
「まぁな。大人ですから。」
私は立ち上がりスカートの埃をはらうと
「じゃあ、戻ります。失礼しました。」
とその人に頭を下げて教室のドアに手をかけた。
< 3 / 231 >

この作品をシェア

pagetop