きらきら光る
この家にいられるのもあと少しかもしれないと思うといてもたってもいられなくて庭の手入れを始めると、おじいちゃんおばあちゃんとの思い出が溢れてきて、心が折れそうだった。


「陽咲っ!」
先生の声が聞こえたとき、寂しすぎて幻聴が始まったのかと思った。

現実だとわかったとき、私は先生を繋ぎ止めたくて思わず枝切りばさみを手渡していた。

ジャケットを脱いでワイシャツの首ボタンをはずし、袖まくりしながら植木を切る先生。

ほとんど会話はなくても、今一人じゃなく先生がそばにいてくれるだけで心があたたかくなった。
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