乙女の恋はいつも甘〜いアイツに振り回される
華恋と創が乗ると、リムジンはゆっくりと動き出した。

こんな住宅街を高級車が走っているのだ。通行人の視線はすごい。華恋は恥ずかしくなって、窓の外から視線をそらす。

「華恋、こっち向いて?」

創が優しく華恋に言う。

「何?」

華恋が創の方を向くと、頰を包まれ優しくキスをされた。

「なっ、ななな…!」

華恋は突然のことに慌てる。創はクスクスと笑って「かわいい」と言った。不意打ちのキスも創は得意だ。

「今日、髪型いつもと違うね。アレンジしたの?」

創が華恋の横髪に触れる。創の手の感触に、華恋は胸を高鳴らせた。

「…うん。ファッション誌で見て、かわいいなって」

そう答える華恋の髪に、創は「とっても似合ってるよ」と言ってキスをした。また華恋は胸の高鳴りが止まらなくなる。

「キス許可なくするの禁止!!」

華恋がそう顔を真っ赤にしながら言うと、創は「ええ〜!華恋といっぱいキスしたいなぁ〜」と子犬のような瞳を向ける。

華恋は一瞬ぐらついた心をなんとか引き止めた。

「ダメって言ったらダメ!」

創はシュンと寂しがる。そんな姿を見せられたら罪悪感しかない。
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