乙女の恋はいつも甘〜いアイツに振り回される
「しょうがないなぁ」

華恋は優しく創の頭を撫でた。すると、創は一瞬で嬉しそうな笑顔を見せる。

創はとても甘えん坊で、華恋は時々どっちが年上かわからなくなる。創は華恋より寂しがりやで子供っぽいところがある。見た目はしっかりしていそうなのに、口を開けば残念なイケメンだ。

リムジンは華恋の学校に着いた。生徒からの視線がすごい。華恋は恥ずかしさがこみ上げてくる。

創は、素早くリムジンから降り、華恋のドアを開けた。

「ありがとう」

そう言って華恋が微笑むと、「行ってらっしゃい」と創も優しく微笑んだ。



教室に華恋が着くと、友達にいつも囲まれる。お金持ちの年上彼氏・創の話を聞くためだ。

「今日も送ってもらってきたじゃん!」

「ほんと仲良いよね〜!ラブラブ〜!」

「いいなぁ。私の彼氏なんてあんな優しいことしてくれないよ〜」

友達は次々と華恋に言う。華恋は「これでもけっこう大変なんだよ?」と笑った。

その時、友達の一人が言った。

「そういえば、もうすぐ「進路希望調査」締め切りだよ〜。みんなもう書いた?」

その一言で、華恋の心は一気にブルーになる。
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